牛乳くささが苦手な人も飲みやすい「ノンホモ牛乳」って?天然生クリームの層が出現「すくってコーヒーや紅茶に」
2021/7/29
毎日の食事や、おやつの時間など、日常的に飲む人も多い牛乳。一口に牛乳と言っても様々な種類があるが、実は加工方法や殺菌方法によっても牛乳の味わいが大きく変わる。そのなかでも、クセがないのに濃厚で、甘くておいしいと評判なのが丹波乳業株式会社(兵庫県丹波市)の「氷上ノンホモ低温殺菌牛乳」。代表の吉田拓洋さんに、商品の魅力について詳しく話を聞いた。
吉田さんによると、この商品の大きな特徴はその名の通り「低温殺菌」をしていること。「氷上ノンホモ低温殺菌牛乳」は65℃を維持してゆっくり混ぜながら30分間殺菌を行っている。一般的には120℃以上で2秒間殺菌する超高温殺菌牛乳が主流だが、たんぱく質が焦げてしまい、独特の牛乳くささが出てしまうのだとか。牛乳のにおいが苦手だという人は、この“コゲ臭”が原因かもしれない。それに比べて低温殺菌牛乳は、たんぱく質の熱変性が少ないので、より生乳に近い風味が味わえる。吉田さんは、「これは牛乳作りが効率化されていない時代からの製造方法で、時間や手間がかかるため、他ではなかなか取り入れられないんです」と教えてくれた。
また、一般的な牛乳は、乳脂肪が浮き上がってくるのを防いだり、殺菌をしやすくしたりするために、牛乳の成分を均質化する「ホモジナイズ処理」を行うが、「氷上ノンホモ低温殺菌牛乳」は、名の通り、ホモジナイズ処理を行っていない。生乳の成分にほとんど手を加えていないため、生乳本来のおいしさを楽しめるのだという。ちなみにノンホモ牛乳は、静かに置いておくと上部に脂肪分が浮き、「クリームライン」と呼ばれる天然の生クリームの層ができる。これをすくってコーヒーや紅茶などに入れてもおいしいそうだ。
そして、吉田さんは「牛への愛」についても話してくれた。丹波市では昔から水田酪農が盛んで、牛はかつて耕作用の家畜としても飼育されていた。機械化が進み、耕作用の家畜が必要なくなってからも農家は牛との生活を続け、今では「酪農用」の牛として大切にしているのだという。牛は家族の一員として、たっぷりと愛情を注がれてきたのだ。
「氷上ノンホモ低温殺菌牛乳」は4軒の酪農家の生乳だけを使用しているが、牛のえさは遺伝子組み換えでないものに限定。それだけでなく、牛が食べる飼料用とうもろこし(デントコーン)や牧草(イタリアングラス)、イネなどを近くの田んぼや畑で育てるという取り組みも進めている。牛から出る有機資源は良質な堆肥となって、えさとなる作物が栽培される水田や周りの畑に還元されるため、昔ながらの資源サイクルが現代においてもうまく活用されている。
また、丹波乳業は丹波市を含め兵庫県の学校給食用にも牛乳を提供しているが、従業員や酪農家さんたちが生産した牛乳を、それぞれの家の子や孫も飲んでいるという。「安心・安全な牛乳を届けるのはもちろんですが、地元でつくったエサを牛が食べ、地元で絞った牛乳を地元の消費者が飲むという、地域社会の結びつきをこれからも大事にしていきたいです」と笑顔で語ってくれた吉田さん。
丹波乳業のやさしさがたくさん詰まった「氷上ノンホモ低温殺菌牛乳」は、コープ自然派で購入が可能。
この記事はラジオ関西トピックス【ラジトピ】に掲載された記事です。ラジオ関西の許可を得て、コープ自然派のホームページにも掲載をしています。
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