山のハム工房 ゴーバル
2023/1/12
訪問日:2023年1月12日
訪問者:コープ自然派商品部 清水
岐阜県恵那市串原の山の中にある「山のハム工房 ゴーバル」。
工房と豚舎を構え、育てた豚をハムやソーセージに加工し、販売しています。
ゴーバルの商品がどのようにして作られているのかを知るため、まずは製造現場となる工房へ向かいました。
ゴーバルの商品が生まれる製造現場
工房では、まず初めにソーセージとハムの仕込み作業を見学しました。
ソーセージに使用する肉を細かくミンチ状にする工程でゴーバルならではのこだわりが!
一般的には一緒に氷を入れて練ることで結着力を高めますが、代わりに地元で生産されたトマトを凍らせて使用しています。
~原材料にトマトを使うわけ~
岐阜県は昔からトマトの産地として知られています。味は同じでも、少し傷がついただけで出荷されずに廃棄されてしまう大量のトマト。地元・串原で生まれたトマトをゴーバルの商品に活かし、トマト農家の収入に少しでもつなげたい、との思いからこの取組が始まりました。トマトは脂を分解するため肉との相性は良くないとされていますが、長年の試行錯誤の中で、トマトを使用したソーセージ作りが実現しました。
また、ハムは、約2~3週間漬け込み液の中で熟成させ、じっくりと時間をかけて味付けをします。
(市販品では製造にかかる時間を短くするため、注射器のような器具で漬け込み液を注入して味付けされることが多いといわれています。)
さらに、昔ながらの「だるまストーブ」を使って乾燥、加熱、燻煙を行います。
市販品では香りづけに木のチップを使うことが多いですが、ゴーバルでは近隣に生えている桜の木を自分たちで薪にして、香りづけに用いています。
桜の木以外にも、燃えやすく高温になる炭や、長時間温度が安定する炭を使い分け、温度を調整しながら作業を行います。
近隣の資源を有効に活用し、昔ながらの製法を守りながら、丁寧に商品づくりと向き合っています。
ゴーバルで働く人々
ゴーバルのみなさん。家族のように仲が良く、温かく迎えてくれました。
ここで働く人々は、近くに住む人、北海道で農業をするための勉強として働く人、農業を学ぶ大学生などさまざま。
ゴーバルの考え方や働き方に賛同した人々が、製造を支えているようです。
お昼休憩の様子。皆で揃って昼食をとります。
昼食後はフリスビーをして体を動かすなど、従業員の方々の仲の良さが感じられました。
原料豚の仕入れ先「串原養豚場」
工房見学の後は、原料豚の仕入れ先である串原養豚場を訪問。
こちらの養豚場では、豚1匹1匹を柵で仕切ることなく、本来の自然環境に近づけた状態で飼育しています。
ここで育てられている豚は、小さな頃から同じ部屋で他の仔豚と育ち、お互いの存在を認め合っているため、豚どうしの喧嘩が少ないとのこと。
喧嘩になってしまったときは、牧草のおもちゃを与えてストレスを軽減させることで、「尾かじり」といった事故を防いでいます。
※一般的な養豚場では、豚同士の喧嘩などで他の豚のしっぽをかじる事故「尾かじり」を防ぐため、生まれてすぐにしっぽを切ることがあります。
ゴーバルが掲げている「生きものとしての尊厳を大切にした飼い方をしたい。」
その言葉をそのまま表現しているような養豚場でした。
ゴーバルの商品はこちら
ゴーバルソーセージ
胡椒でシンプルに味付けした粗挽きのウィンナーソーセージです。
袋ごとゆでてホットドッグなどにどうぞ。
ゴーバル ロースハムスライス
ゆっくり乾燥・燻煙してスライスしました。
豚肉は飼料までNON-GMO(分別管理)です。
サラダやマリネ・サンドイッチなどにどうぞ。