伝統製法でつくる岡上食品の手延べ素麺
2024/4/8
訪問日:2023年5月17日
訪問者:コープ自然派商品部 堀内
素麺の製造が盛んな香川県の小豆島。自然派Style小豆島手延べ素麺は、そこで「国産小麦粉」「メキシコの天日塩を平釜でゆっくり炊き上げ国産にがりを加えた塩」「国産なたね油」といったこだわりの原材料を使って岡上食品が作っています。
どのような工程を経て手延べ素麺がつくられているのか、素麺づくりの1日に密着しました。
【捏ね】
素麺づくりが始まるのは皆が寝静まっている夜中の午前3時頃。辺りがまだ暗い中、岡上食品に明かりが灯ります。
最初の作業は【捏ね】。国産小麦粉に塩、水、そして前日から用意しておいたふしめん(素麺の製造途中で生じる切れ端)を加えて生地を作ります。天候や気温、湿度を見ながら、捏ねる時間や水分量など生地の状態を調整します。
【いたぎ】
次に【いたぎ】という工程。捏ねあがった生地を7cmくらいの幅の帯に切り出し、丸状にして桶の中に巻いていきます。生地を巻いた桶が3つできると、それを一つに合わせて、再び桶に巻いていきます。
桶に分けた生地は少し寝かしながら、何度か繰り返すことで生地にツヤが出てきます。岡上さん親子は阿吽の呼吸で、手早く作業をすすめられているのが印象的でした。
【ほそめ・こなし】
時間は辺りも明るくなってきた朝の6時頃。別の機械を使って【ほそめ・こなし】の工程へ。細く、そしてくっつかないように、刷毛で表面に油を塗って生地を伸ばしていきます。直径2cmくらいの紐状になるまで何度かこの作業を繰り返します。
【かけば】
作業は休むことなくどんどん進みます。続いては【かけば】。リズムよくテンポよく、機械にかけてある2本の棒に、生地が8の字を描くように巻かれてきます。巻いた生地は寝かすために木箱の中へ。
切れてしまうことを防ぐため、蓋をしたり、霧吹きをしたり、乾かないように注意して保管します。最初と比べると生地はかなり細くなり、麺状になりました。
【こびき】
木箱に入れてしばらく寝かしていた麺を伸ばす【こびき】。麺は伸ばしても少しずつ縮んでいくので、段階的に繰り返し伸ばすことで切れない麺ができるそうです。伸ばした麺は再び木箱で寝かせます。
次の工程へすすむタイミングや伸ばす回数などは日によって異なり、常に麺の状態を見ながら作業が行われます。
【かどぼし・箸わけ】
いよいよ【かどぼし】。さらに大きい機械を使い、麺を長さ1.5mくらいまで伸ばし、『ハタ』と呼ばれる素麺を干す器具にかけて屋外へ。この辺りから小麦の良い香りが漂い始めました。かどぼしでは、風向きや太陽の強さによって、何度も場所を調整。
また、麺が重なった状態で乾くと切れてしまうため、【箸わけ】も行います。少しずつ乾燥させ、伸ばす作業を繰り返すことで、細く長く、切れない素麺に仕上がります。天日で干す工程を入れることで白いきれいな麺に仕上がるそうです。
状態を見極めて乾燥の場所を室内へ。天日で乾かしすぎると表面がガサガサになってしまうそうです。
室内でも少し時間が経つたびに麺の乾燥具合を確認。麺の曲がりや折れが生じないように、麺が切れてしまわないように微調整を行います。
【小割り】
麺の状態を見ながら、作業は次の工程へと移っていきます。ゆっくり乾燥させた素麺はいよいよ切る作業【小割り】へ。
時間はお昼の13時頃。ハタにかけている麺を10束くらいまとめて裁断機へ。人の背丈まで細く伸ばした素麺を、食べる長さにカットして束にまとめていきます。
※裁断の時に生じる切れ端(ふしめん)は、翌日の素麺の生地作りに使われます。
最後は一束ずつ計量し、折れている素麺は目視で取り除いて結束。金属探知機も通して組合員の皆さんへお届けできるように包装されます。
夕方の4時頃、ようやく一連の作業が終了しました。
【取材を終えて】
常に生地の状態を見極めながら作業をすすめる岡上さん親子。作業が始まると休憩する暇もなく、黙々と素麺づくりに励む姿がとても印象的でした。
また、切って細さを調整する他の麺類と異なり、『切れないように長く伸ばすことで細さを調整する素麺』はとても繊細な食べものだということがわかりました。
「国産小麦でつくることはとても難しい」と話されていた岡上さん。毎日の微妙な変化を感じ取りながら繊細で綺麗な素麺に仕上げていく工程はどれも職人技。きめ細かく、独特の強いコシをもつ自然派Style小豆島手延べ素麺を、ぜひお試しください。
岡上食品の商品
「産直 薄力小麦粉(自然派Style)」100%で作っています。伝統の手延べ製法で、弾力のある細麺に仕上げました。