初めて口にする食感や味にとまどう赤ちゃんもいるかもしれません。そんなときは焦らずゆっくり進めていきましょう。「栄養が足りていないかも…」と心配する必要はまったくありません。なぜって、離乳食の目的はモグモグ・ごっくんの練習だから。赤ちゃんに必要な栄養素は、お母さんのおいしいおっぱいやミルクで十分足りていますよ。小さいときに素材そのもののおいしい味を知った赤ちゃんは、大きくなっても自然の味を覚えています。その子が成人して家を出て、自炊するときになっても、きっと何を食べればいいのかを十分に理解しているはずでしょう。

　妊娠・出産・育児はお母さんが食の原点に戻れる時期でもあるのです。生命を育むことと食べることは密接につながっています。妊娠中の食事、授乳中の食事、離乳食と、バラバラのメニューをつくっていてはお母さんもとまどってしまいます。家族のおいしい食事は赤ちゃんがよろこぶ食事です。食事をシンプルにすれば、心にも余裕ができて、今よりもさらに育児がたのしくなるはず、おいしいごはんを分け合って、お母さんと赤ちゃんが一緒に健康になれる育児ほど幸せなことはありません。