グリホサートを
取り込みたくない!
国産オーガニックを拡げ、安心・安全な商品を届けたい!
グリホサートは、世界中で最も使われている除草剤の主成分です。
2015年に、WHO(世界保健機関)の専門家機関がグリホサートを「発がんのおそれあり」と評価したことから世界では規制強化が進んでいますが、日本は逆に規制を緩和。世界の流れと逆行しています。
コープ自然派は、誰もが有機農産物を食べることができる社会をめざし、有機農業の推進、国産オーガニックを拡げる取組をすすめています。
有機農業を推進する上でも、コープ自然派ではグリホサートに対して、以下の方針で取り組んでいます。
情報発信
グリホサートがもたらす危険性や問題点について、情報発信し問題提起します。
商品開発強化
生産者と協力してグリホサートの危険のない商品開発を強化しています。
商品案内に
マーク表示
有機JAS認証または栽培歴でグリホサート不使用が確認できた商品はマークを表示(豆腐・湯葉・納豆・あげ・豆乳に限る)。
残留農薬検査
グリホサート不使用の確認ができない、定期的に残留農薬検査を行っています(豆腐・湯葉・納豆・あげ・豆乳に限る)。
「グリホサート」って?
グリホサートは農地のほか、公園や校庭、街路樹、駐車場などでも散布され、「ラウンドアップ」などの商品名でホームセンターなどでも販売されています。
発がん性の疑い
グリホサートの危険性が注目されるようになったのは、2015年に、WHO(世界保健機関)の専門家機関が「グループ2A おそらく発がん性がある」と評価したことからでした。
続く「ラウンドアップ」裁判
2018年8月、アメリカ・カリフォルニア州のサンフランシスコ地裁は、「がんになった原因は除草剤『ラウンドアップ』(主成分:グリホサート)によるものだ」と訴えていた末期がんの原告の男性に、それを認め、農薬メーカーのモンサント社(現バイエル社)に2億8900万ドル(約320億円)支払うように命じました(後に7800万ドル(約87億円)に減額)。学校の用務員だった原告は、校庭に「ラウンドアップ」のジェネリック製品を繰り返し散布していました。同様の訴訟がアメリカでは数万件に増えています。
人体への健康被害明らかに
グリホサートは「毒性が低い」「環境にやさしい」と開発企業のモンサント社は宣伝してきました。しかし、最近の研究で、発がん性、神経毒性、生殖や出産への影響、世代を超えて受け継がれる影響を指摘するものが続々と発表されています。
※デトックス・プロジェクト・ジャパンのホームページにリンクします。
また、モンサント社はグリホサートは植物がアミノ酸を作り出すシキミ酸経路をブロックすることで除草効果を発揮するため、シキミ酸経路をもたない動物や人間に影響ないと説明してきました。確かに、動物や人間にシキミ酸経路はありませんが、動物や人間の腸内にはシキミ酸経路をもつ腸内細菌が棲んでいます。グリホサートの影響で腸内細菌を損なうと、そこからさまざまなアレルギー、自己免疫疾患などの原因になることが指摘されています。
人の体内に残留!?
世界的にグリホサートの有害性が注目されるようになり、人体汚染の調査が進んでいます。2015年に有機消費者協会とカリフォルニア大学サンフランシスコ校の協力を得て、アメリカで初めて尿の検査をしましたが、その際、採取した尿の93%からグリホサートが検出されています。
日本でも、グリホサート禁止を目指す市民グループ「デトックス・プロジェクト・ジャパン」(2019年5月発足)がグリホサートの人体汚染の調査を始めることとなり、その先駆けとして、国会議員23人を含む28人の髪の毛の検査を実施。うち7割にあたる19人の毛髪からグリホサート(グリホサートの分解生成物であるAMPA含む)が検出されました。
体内への取り込み経路①食べもの
日本は世界でもトップクラスの遺伝子組み換え(GM)作物の消費国
「遺伝子組み換え(GM)」作物の栽培面積は2019年現在、世界の農地の14%※を占めるほどになっています。
また、遺伝子組み換えで付加された形質別にみると、「除草剤耐性」の形質を持つものが約46%、「害虫抵抗性」の形質を持つものが約12%、除草剤耐性と害虫抵抗性の両方の形質を持つものが約42%です。(2018年データ)
※出典:国際アグリバイオ事業団(ISAAA)
除草剤耐性のGM作物は、グリホサート等を分解する酵素が遺伝子に組み込まれています。
日本は世界でもトップクラスの遺伝子組換え(GM)作物の消費国で、大豆・とうもろこし・ナタネなどのほとんどを、GM作物の栽培が盛んなアメリカ・カナダから輸入。それを、食用油や家畜の飼料として使用しています。
輸入小麦が危ない!
アメリカやカナダなどでは収穫直前に作物を枯らして乾燥させる(=収穫しやすくする)ための除草剤散布「プレハーベスト」が認められています。
小麦は特にプレハーベスト農薬の使用が増えており、農林水産省の調査(2013年~2017年)によると、アメリカ・カナダ産小麦の9割以上からグリホサートが検出されている他、農民連食品分析センターが輸入小麦を使った市販の食パン製品で残留農薬検査をしたところ、高い検出率でグリホサートが残留していることが確認されました。
(原料が国産小麦のものからは検出されませんでした。)
日本は小麦の自給率が低く、ほとんどをアメリカ・カナダからの輸入に頼っています。
■国産小麦の自給率(カロリーベース) 2019年度(概算):16% 2018年度:12% 2017年度:14% ※出典:農林水産省ホームページ「総合食料自給率(カロリー・生産額)、品目別自給率等」 |
■日本の小麦輸入量(2017年度) 549万トン(アメリカ54.8%・カナダ28.9%、オーストラリア16.2%) ※出典:農林水産省ホームページ麦の需給と価格について「麦の需給に関する見通し」 |
お米より小麦を多く食べる人は、日頃からグリホサートを多く摂取していることになるだろうと、農民連食品分析センターでは推測しています。
国産小麦にはプレハーベスト農薬は使われていません。
コープ自然派は、「食」の安全を確保し、「食」を支える日本の農業を守るため、国産小麦にこだわっています。
もう安心できない国産大豆
これまでは輸入作物に対してだけ警戒をしていればよかったグリホサートですが、近年、日本でも一部地域においてグリホサートが大豆のプレハーベストとして使われていることがわかってきました。
コープ自然派では有機JAS認証または栽培履歴で「グリホサート不使用」を確認できた豆腐・湯葉・納豆・あげ・豆乳商品には商品案内(カタログ)にて「グリホサート」不使用マークを付け、また不使用の確認がとれない商品については、定期的な残留農薬検査を行い「グリホサート」検査済マークを表示しています。
体内への取り込み経路②環境
グリホサートを主成分とした除草剤はホームセンターやドラッグストア、一部の100円ショップでも買うことができます。これらを使用した際には防護服やマスクを使用しなければ少なからず、浴びることになります。
また自分は使わなくても、芝生、公園、ゴルフ場、河川敷、校庭などでの散布から知らずに取り入れてしまうこともあります。散布された除草剤は、土に浸み込んで地下水に入り込んだり、雨水とともに川に流れ込むことで、飲み水を汚染しています。
緩和された日本の残留基準値
WHO(世界保健機関)の専門家機関がグリホサートを発がん物質としたことをきっかけに世界では使用禁止や規制強化に踏み切る動きが広がっています。
しかし、日本では2017年12月に規制を緩和。例えば私たちが日常的に口にするパンやめん類の原料である小麦粉も残留基準値が緩められました。日本は世界の農薬規制の流れと逆行しています。
コープ自然派の取組
残留農薬検査の強化
小麦
農林水産省の調査(2013年~2017年)によると、アメリカ・カナダ産小麦の9割以上からグリホサートが検出されていることが明らかに。
現在、国内の小麦栽培でグリホサートの収穫前除草剤としての使用が認められていないので、小麦は「国産」を選ぶことでグリホサートを回避できます。
コープ自然派は、「食」の安全を確保し、「食」を支える日本の農業を守るため、国産小麦にこだわっています。
大豆
これまでは輸入作物に対してだけ警戒をしていればよかったグリホサートですが、近年、日本でも一部地域においてグリホサートが大豆のプレハーベストとして使われていることがわかってきました。
こうした状況を受け、コープ自然派では、有機JAS認証または栽培履歴で「グリホサート不使用」を確認できた豆腐・湯葉・納豆・あげ・豆乳商品には商品案内(カタログ)にて「グリホサート」不使用マークを付けています。また不使用の確認がとれない商品については、定期的な残留農薬検査を実施し「グリホサート」検査済マークを付けています。
コープ自然派なら選べる!
私たちが日々のお買いもので何を「選ぶ」かが、私たち自身の健康のみならず、日本の第一次産業や、豊かな自然環境を守ることにつながります。
コープ自然派では独自の商品取扱基準を設けるとともに、組合員さんご自身で毎日食べるものを「選べる」ように、遺伝子組み換え作物や農薬の使用状況などをマークにして商品案内(カタログ)に記載しています。
体内の残留農薬検査を行う「デトックス・プロジェクト始動!
グリホサート禁止を目指す市民グループ「デトックス・プロジェクト・ジャパン」(2019年5月発足)では、人体汚染の実態を明らかにするための検査を呼びかけており、コープ自然派でも組合員より検査希望者を募りました。(2020年1月募集※/2020年11月募集)
※2020年1月の募集は、試験手法の標準化と最適化を進めるためにやむなく中止になりました。
デトックス・プロジェクト・ジャパン他が主催したゼン・ハニーカットさんの全国ツアー(2019年12月)のうち、東京会場での講演が公開されています。ゼン・ハニーカットさんは、遺伝子組み換え食品や除草剤グリホサートなどの農薬から子どもの食を守るために1人で立ち上がり、仲間を集めて「MomsAcrossAmerica」を創設し、アメリカの食卓を変えてきました。
グリホサート不使用を応援する商品(一例)
小麦商品(一例)
小麦の胚芽・ふすまを含む全粒粉は、グリホサートの検出頻度が高いので、国産小麦・有機栽培小麦が安心です。
大豆商品(一例)
国産有機・無農薬栽培大豆を使用した商品開発を強化しています。
国産有機豆乳
杉樽仕込・
頑固な
こだわり醤油
天然熟成醸造
生味噌
(無農薬栽培大豆使用)