ネオニコフリーに
取り組む生産者(一例)

JA東とくしま 西田さん(徳島)

ネオニコチノイド系農薬は米の大敵・カメムシにだけ影響を及ぼすかというと、そんなはずはありません。田んぼを泳ぐカエルなどの生きものにも当然影響を与えます。田んぼをはじめとする自然界では、カメムシなどの虫をカエルが捕食し、そのカエルを鳥たちが捕食する。そんな食物連鎖が起こっています。

私たちは、たくさんの生きものが田んぼにやって来られるように、米の栽培を持続可能なものにしながら、環境保全も同時にやっていく、それを使命と考えています。


JA東とくしま 西田さん


阿波農産 浜田さん(徳島)

「野菜の管理」について、人から聞かれた時、私は人間に例えたりします。自分の子どもを見て、「まだ体がちょっと細いなぁ」等と思うと、親としてはもっと食べさせてやりたくなります。それと同じで、野菜もどういう風に作りたいとか、味をどうしたいとか、それに対してどうしていくかを考えます。

市場に流通する野菜の中で、無農薬で栽培しているものはわずかです。私の畑でも農薬は使っていませんが、その基準に何があるかというと、「食べてもらいたい人」の存在があると思います。



マルサカ有機生産組合 坂東さん(徳島)

私たちが農薬を使用せず野菜を作る理由は2つあります。

1つ目は農業を始めたころに農薬の空き缶がどぶ川に捨ててあり、よく見ると魚が浮き上がって死んでいました。この時に、はじめて農薬の恐ろしさを知りました。そして、「農業も環境をしっかり考えながらやっていかなくてはいけない」と思いました。

2つ目は、自分や家族が同じものを食べるのだから、安心して食べられる方がいいと思ったことです。そして農薬を使用しない栽培を始めました。

出荷用と、自分の家で食べるものを分けず、誰もが安心して食べられる野菜づくりを続けていきます。


左:坂東淳一さん、右:坂東博秋さん


大雪を囲む会 一戸農場 一戸さん

一戸農場は前代表時代の2000年から全栽培面積を有機圃場に転換しました。全圃場の有機管理を始めた当初から雑草との戦いで投げ出したい気持ちでした。

そんな中、合成化学農薬・化学肥料を一切使用しない取組により、網走川の環境負荷低減に努めている事を評価され、2017年に漁業組合2団体から応援証を頂きました。農薬は土に浸透し、近くに水の流れがあれば河川に到達し魚に影響を与えます。今後も前代表同様に地域の環境保全に寄与して、食べていただける方に喜んでいただけるよう努力していく決意です。

一戸農場 一戸さん


津軽産直組合 斉藤さん

津軽産直組合の栽培のこだわりは、全生産者が有機質肥料を統一して使し、5名の生産者がネオニコフリーの栽培に取り組んでいることです(ネオニコフリーでりんごを栽培している5名をまとめて「津軽産直フーズ」と呼称しています)。

5名の生産者の中に若い後継者が数名おり、次世代に繋げられるよう日々の作業を頑張っています。近年、地球温暖化の影響や農薬・肥料等の資材の高騰により栽培が難しくなってきています。こうした中でネオニコフリーの栽培方法を続け、環境にやさしい農業にこだわっていきたいと思います。

津軽産直 斉藤さん


のらくら農場 萩原さん

ケールは有機栽培では難しい野菜です。ケールの種のメーカーさんにすら、「夏は絶対無理」と言われましたが、今はほぼ栽培のポイントを掴み、栽培体系を確立することができました。

のらくら農場では適正な土づくりのために「土壌分析」をします。これは医療でいうところの血液検査などの可視化できる手法です。もう一つ、東洋医学の「望診」に近い手法が「生育診断」です。手触り、葉脈の曲がり具合、葉脈の間の色、下部の葉の色、葉の先端の色、成長点付近全体の色などで、鉄やマグネシウム、カルシウム、窒素などの養分の過不足の診断をします。土壌分析と生育診断がのらくら農場の技術の両輪です。

のらくら農場 萩原さん