生協6グループが共同で「食料・農業・農村基本法」改正へ提言、農林水産省を訪問。
2024/4/5
生活協同組合連合会 コープ自然派事業連合(本部:兵庫県神戸市)は、「消費者と生産者をつなぎ、国内の農業を守り、食料自給率向上に取り組む活動」を行っている生活協同組合6グループで3月19日(火)、農林水産省を訪問し提言書を手渡しました。同日、衆議院第一議員会館で意見交換会を合同開催し、生協6グループの組合員・生産者など約400名が参加しました。
政府は現在「食料・農業・農村基本法」の改正に向けて見直しを進めています。“制定からおよそ四半世紀が経過し、昨今では、世界的な食料情勢の変化に伴う食料安全保障上のリスクの高まりや、地球環境問題への対応、海外の市場の拡大等、我が国の農業を取り巻く情勢が制定時には想定されなかったレベルで変化している(参照:農林水産省公式サイト)”ことを背景としています。
「食料・農業・農村基本法」改正に対する提言について
生活協同組合の6つのグループは、産直を通じて消費と生産をつなぎ、互いが助け合い、資源循環などによる持続可能な社会づくりを追求してきました。この数年で、食料・農業をめぐる状況は大きな変化を迎えています。このような時代における「食料・農業・農村基本法」の改正は、国内の農畜水産業を守り、食料自給率向上にむけて踏み出す大きな機会と捉えています。現在、食料・エネルギーの海外調達がいっそう困難になる中で、国内の農畜水産業の生産強化が大きな課題となっています。しかし、改正案の「最終取りまとめ」では、スマート農業の推進や農林水産業のグリーン化、輸出強化、食料安全保障の強化がうたわれていますが、これでは根本的な解決にはなりません。これから10年先の食料・農業・農村について、消費者団体の立場で新しい基本法に対し、今回意見を提言いたします。
Ⅰ.食料自給率目標を明示し、実現のための対策を求めます 1.食料安全保障の確立のため、食料自給率の向上が必要です 2.多面的機能、脱炭素化の推進のために、食料自給率の向上が必要です 3.食料自給率目標の明示と実現のための対策を求めます 4.100%自給可能な米作を強化する対策を求めます 5.国内自給率向上のためには担い手が必要です Ⅱ.国内農業、生産者を保護するための適正な価格形成について 1.生産者の農業所得の向上と再生産を確保しうる適正な農林水産関係予算を求めます 2.多様な農業形態、担い手の確保と気候風土に適った地域農業の育成を求めます 3.農業分野における財政支援を求めます 4.再生産可能な価格の設定と維持にむけた政策を求めます Ⅲ.環境保全型農業、みどりの食料システム戦略について 1.自然循環を生かした安全でおいしい食べものづくりの推進が必要です 2.環境への取り組みと、資源循環型農業(未利用資源の活用)の推進を求めます 3.みどりの食料システム戦略を農業政策に位置づけた持続可能な農業の推進を求めます 4.有機農業・環境保全型農業の推進と学校給食への活用を求めます Ⅳ.消費者の立場に立った食品安全などに関わる規制と表示、食料の安全確保の強化について 1.食品安全・食品表示に係る制度・政策について、自給率向上を図るための見直しが必要です 2.食品安全・食品表示に係る制度・政策について、食品表示法の基本理念に則って検討することを求めます 1)加工食品の原料原産地表示制度の見直しを求めます 2)遺伝子操作(遺伝子組換え、ゲノム編集)食品の表示制度の見直しを求めます |
生協6グループの組合員・生産者など約400名が参加した意見交換会にて、コープ自然派からは3つの意見を述べました。子どもたちの健康と、日本の食・農業・環境を守るためにオーガニック給食を拡げること。重イオンビーム育種米については、安全性の確認と規制、および農家の選ぶ権利と消費者の知る権利を守るための規制。最後に、下水汚泥肥料が環境汚染の原因にならないよう、予防原則に基づいた健康と環境を守る規制の設定を求めました。
主催団体概要
■生活クラブ事業連合生活協同組合連合会
所在地:東京都新宿区新宿6-24-20、理事長:村上彰一
グループ総事業高:978.6億円/組合員総数41.8万人(2023年3月末現在)
活動地域:21都道府県(北海道、青森、岩手、山形、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、長野、静岡、愛知、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良)
公式サイト:https://seikatsuclub.coop/
■東都生活協同組合
所在地:東京都世田谷区船橋5-28-6、理事長:風間 与司治
総事業高:345.5億円/組合員総数25.6万人(2023年3月末現在)
活動地域:4都県(東京、埼玉・千葉・神奈川の一部)
公式サイト:https://www.tohto-coop.or.jp
■生活協同組合連合会アイチョイス
所在地:愛知県名古屋市南区薬師通1-14 、理事長:大宮 隆博
グループ総事業高:156.7億円/組合員総数13.2万人(2023年3月末現在)
活動地域:4県(岐阜、静岡、愛知、三重)
公式サイト:https://ichoice-coop.com
■グリーンコープ生活協同組合連合会
所在地:福岡県福岡市博多区博多駅前1-5-11、代表理事:西村 大輔
グループ総事業高:635.6億円/組合員総数43.3万人(2023年3月末現在)
活動地域:16都県(福島、滋賀、大阪、兵庫、鳥取、島根、岡山、広島、山口、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島)
公式サイト:https://www.greencoop.or.jp
■パルシステム生活協同組合連合会
所在地:東京都新宿区大久保2-2-6 、理事長:大信 政一
グループ総事業高:2,530.9億円/組合員総数171.4万人(2023年3月末現在)
活動地域:13都県(宮城、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨、長野、静岡)
公式サイト:https://www.pal.or.jp
■生活協同組合連合会コープ自然派事業連合
所在地:兵庫県神戸市西区見津が丘3-8-5、理事長:岸健二
グループ総事業高:265.8億円/組合員総数19.7万人(2023年3月末現在)
活動地域:10府県(徳島、香川、愛媛、高知、大阪、和歌山、兵庫、奈良、京都、滋賀)
公式サイト:https://www.shizenha.net/