遺伝子組み換えでない
食品をつくる
わたしたちの利用がNON-GMO(非遺伝子組み換え)を守る!
遺伝子組み換え(GM)作物は、自然界への影響や、大量の農薬の使用、一部の多国籍企業による種子の独占等が問題視されているものの、日本のGMの表示義務はゆるいため、油や加工品、家畜のえさなど、わたしたちが気づかないところにも多く使われています。
コープ自然派ではGM作物・食品を排除していくことを原則に、以下の方針で取り組んでいます。
NON-GMO
GM作物・食品は取り扱わないことを原則とします。使用している場合はお知らせしながら、生産者と協力して排除していきます。
情報発信
GM作物・食品がもたらす危険性や問題点について、情報発信し、問題提起します。
商品案内にGM表示
日本では表示義務のない食品についても、コープ自然派では遺伝子組み換え作物の使用状況を表示しています。(ポスティ・caocao)
GM反対運動
諸団体と連携しながら、GM反対活動に取り組んでいます。(GMOフリーゾーン運動、GMナタネ自生調査、署名活動など)
知っておきたい! 遺伝子組み換え問題
1996年に遺伝子組み換え(GM)作物の商業栽培がはじまって、20年以上経過しました。
日本では商業栽培されていませんが、食料自給率が低く、多くの食べものを海外からの輸入に依存しているため、世界で一番GM作物を食べていると言われています。
遺伝子組み換え技術・食品って何ですか?
遺伝子組み換え(GM)作物・食品とは?
遺伝子組み換え(GM)作物とは、生物の「種」を超えて異なる遺伝子を組み込んだ作物のことです。
GM作物やGM作物を加工したものが遺伝子組み換え食品です。
GM作物は大きくわけると、殺虫毒素をもたせた「殺虫性作物」と除草剤をかけても枯れない「除草剤耐性作物」があり、海外を中心に急速に栽培面積が拡がっています。
日本では、食用を目的としたGM作物は商業栽培されていません。
しかし、日本は多くの食べものを海外からの輸入に依存しているため、世界で一番GM作物を食べていると言われています。
どのくらい世界で栽培されているの?
2019年現在の栽培国はアメリカ・ブラジル・アルゼンチンを中心に世界29カ国、栽培面積は合計1億9,000万ha以上。これは世界の耕地面積の約14%になります。
多国籍企業による「種」の独占
GM技術で開発された作物の種子は、開発企業が特許を持っています。
開発企業はその特許で種子を独占し、GM作物を流通させると同時に、世界の種子企業の買収を盛んに行うように。
その結果、上位3企業が世界の種子や農薬市場の約7割以上を占有しています。
農家が、企業が指定する種子と農薬しか選べなくなるということは、自主的で自律的な農業が奪われ、大企業が食品の流通までのすべてを握る社会になってしまうということです。
GM問題は農薬問題でもあった!
遺伝子組み換え(GM)は、生産効率を上げるために開発された技術ですが、GM作物の増加に伴い、世界ではヒトや自然界への悪影響・健康被害の報告が増加しています。
その原因の一つとして挙げられているのは、GM作物栽培とセットで使われる除草剤グリホサート等です。
知らないうちに食べている遺伝子組み換え(GM)作物・食品
日本には、遺伝子組換え食品表示制度があり、遺伝子組換えであれば「遺伝子組換え」と表示しなければならないことになっています。
しかし、日本はGM食品に関する表示制度が不十分なので、食品表示を見ただけではよくわかりません。
さらに2023年からは食品表示法の改悪により、「遺伝子組み換えでない」という表示が事実上できなくなります。
遺伝子組み換え表示のある食品は少ない
加工品には、多くのGM作物が使われますが、現状でも原材料の上位3品目、量が5%以上しか表示されません。
さらに、家畜のえさには表示義務がなく、遺伝子組換えのえさを食べて育った家畜の肉や卵・牛乳・乳製品などの畜産品も表示を免れています。
増える遺伝子組み換え食品添加物
加工食品に使われる食品添加物にも遺伝子組み換えが増えています。
旨みを補う「調味料(アミノ酸等)」、粘り気を出すのに使われる「加工デンプン」、酸化防止剤の「ビタミンE」「ビタミンC」、着色料の「ビタミンB2」、乳化剤などがその例です。
日本における遺伝子組み換え(GM)問題の最大の課題は飼料
肉類全体の国産自給率52%(カロリーベース)※ですが、日本は飼料の多くを輸入に頼っているため、家畜に与える飼料まで含めると自給率は7%※まで下がります(2019年度概算)。
わたしたち日本人は、GM飼料を食べて育った家畜の肉や卵・牛乳・乳製品などの畜産品から、わたしたち日本人は間接的にGM作物を大量に消費しています。
【日本における畜産品の食料自給率】
コープ自然派の取組
遺伝子組み換え(GM)作物の使用状況を知るマーク
コープ自然派では可能な限り、遺伝子組み換え(GM)作物を排除。
また、組合員さん自身による食の選択を促し、「選ぶことで社会を変える」ために、商品案内(カタログ)には商品パッケージからは一般に知ることができない家畜飼料や食用油、調味料などのGM作物の使用状況まで、それぞれマークで自主表示しています。
毎日つかうものから遺伝子組み換え(GM)をなくそう!
例えば、コープ自然派のプライベートブランド「自然派Style自然派Style一番搾り純正なたね油」の原料はオーストラリア産のNON-GMO(非遺伝子組み換え)の菜種のみ。
国内で生産される食用油の原料のなたねは99%が輸入原料であり、輸入しているなたねの約90%は遺伝子組み換えのなたねなので、非遺伝子組み換えの菜種はとても希少です。
製造元の平田産業では、NON-GMO原料の搾油に特化し、GMなたねと混入しないように専用コンテナでオーストラリアからNON-GMOのなたねを輸入しています。
えさまで非遺伝子組み換え
NON-GMO(非遺伝子組み換え)飼料が希少になる中、コープ自然派では乳製品(「よつ葉放牧生産者指定ノンホモ牛乳」・「よつ葉プレーンヨーグルト」・「自然派Styleびん牛乳」等)、産直肉(未来とかち牛・枕崎牛[一部]・自然豚、神山鶏)と産直卵等で「GMO えさまで不使用」を実現。
これらを使った加工品の開発にも積極的に取り組んでいます。
また、「いつまでも輸入飼料に頼っていられない」との思いから、耕畜連携による国産自給飼料の向上にも注力をしています。
遺伝子組み換えナタネ自生調査
日本では今のところ遺伝子組み換え(GM)の商業栽培は行われていませんが、輸入されたGMなたねが、港周辺や幹線道路などでこぼれ落ちて自生していることが報告されています。
コープ自然派では毎年、組合員より「GMなたね自生全国調査カンパ」を募り、「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」とともに全国調査活動を行っています。
市民による全国調査活動が長年継続されていることは世界のGM反対運動の中でもとても評価されています。
NON-GMOの取組を応援する商品(一例)