• ゲノム編集

各国で健康被害の報告が相次ぎ、栽培作物が一定品種以上に広がらず頭打ちともいえる遺伝子組み換え食品。そんな中、新たな技術としてゲノム編集食品が登場しました。

自然環境下の突然変異とは異なり生態系への悪影響が考えられ、食品としての安全性調査も十分進んでいませんが、日本では2021年5月に「高GABAトマト」の苗2万本が配布されるなど、ゲノム編集先進国として前のめりな姿勢が目立ちます。

今回はその現状をお知らせし、安心して利用できるコープ自然派の取組をご紹介します。

ゲノム編集って?

成長を抑制する遺伝子を切断し、より大きな生物を作るなど、遺伝子のバランスを意図的に崩して効率的な種の改良を試みる技術です。遺伝子組み換え(GM)技術の応用といえますが、厚労省では「異なる技術」とされ表示の義務がありません。

自然の生態系への影響や、食品としてのアレルギーの可能性も指摘されています。

ゲノム編集食品の問題点

●遺伝子異常

目的外の遺伝子が壊れるオフターゲットや、通常遺伝子とゲノム編集遺伝子が入り乱れるモザイクなどの発生

●健康被害

想定外の有害たんぱく質やアレルゲンが作られる可能性

●生物多様性への影響

ゲノム編集生物の自然環境中への拡散による悪影響

●表示制度

厚労省の安全性審査は不要とされ、表示制度もない

小学校にも苗が配られる?

世界では食品応用について議論が続くゲノム編集食品ですが、日本では各研究機関や企業で様々な品種の商業化が急がれています。ゲノム編集トマトの開発を手掛けるサナテックシード社/パイオニアエコサイエンス社では、苗を小学校に無償提供して子どもたちが育てるようにしていきたいとの意思を表明しています。

知らないうちに食卓に上ることのないよう、コープ自然派は「OKシードプロジェクト」にも参画し、反対運動をすすめています。

  

ゲノム編集が拡がる野菜・穀物

血圧を下げるアミノ酸であるGABAが多く含まれる「高GABAトマト」を皮切りに、様々な作物でゲノム編集食品の開発が進んでいます。

・トマト

2020年12月に認可後、開発関連会社のwebサイトで果実や苗の販売が続きます。サイトでは栽培サポートや交流スペースも設けられ、先進技術を楽しむような形でアピールが行われています。

・じゃがいも

大阪大学と理研のグループが芽の毒素を減らしたじゃがいもを開発し、屋外での栽培実験が進んでいます。

・麦

岡山大学と農研機構が大麦の種子休眠の長さの調整を可能としました。ビール醸造に適する品種として市場化が目指されています。

コープ自然派のトマト、じゃがいも、パン

イタリアンミニトマト

有機じゃがいも

自然派Styleテーブルロール

ゲノム編集が拡がる畜産・水産物

移動しやすく環境中への拡散リスクが高い動物にもゲノム編集技術の利用が進んでいます。魚についてはゲノム編集魚の届け出受理に向けた動きが政府内にみられます。

・豚肉

肉厚の豚肉を生産するため、アメリカの大学で筋肉量の多い豚が開発されています。筋肉をコントロールする遺伝子を破壊することで実現されました。

・マダイ

2019 年設立の京都大学内のベンチャー企業で成長の早い肉厚マダイの事業が本格的に進んでいます。同じ技術でトラフグの開発も進んでいます。

マサバ

養殖時に共食いしないようゲノム編集されたマサバの市場化をめざし、九州大学で研究・開発が行われています。

自然豚

アニマルウェルフェア(AW)に配慮

豚は好奇心が強く、周囲の環境に敏感に反応する性質を持ちます。自然豚を飼育する七星食品では、アニマルウェルフェア(AW)の考えのもと、開放豚舎で快適な環境を整え、不要なストレスを与えないよう豚に丁寧に接しながらITで健康状態を管理するなど先進的な取組を続け、安全でおいしい豚肉の生産を行っています。

自然豚肩ローステキカツ

  

適度な脂肪で食べ応えがあり、ポークステーキやとんかつにおすすめです。

自然豚ローステキ用 極厚

  

自然豚のロース肉を極厚のステーキ用にしました。ちょっと贅沢したい時に!

淡路産鯛

急流の中で成長

明石海峡、鳴門海峡、紀伊水道の3海流が交わる日本でも有数の豊かな漁場、淡路島。港から漁場が近く、水揚げしてすぐにせりに掛けられるため、非常に鮮度がいいのが特長です。海峡の急流にもまれて育った鯛の身は分厚く、よくしまって食べ応えがあります。鯛本来の上品で淡白な味わいをお楽しみください。

淡路産鯛切身

  

淡路島近海で水揚げされた新鮮な天然鯛を切身にしました。

さばフィーレ

天然のボリューム感

塩焼きや味噌煮、竜田揚げ。長崎で水揚げされた大型の真さばを、好みに応じて幅広く楽しめるさばフィーレにしています。大きめサイズなので食べやすく、1切れ約100gとボリューム感もたっぷり。素材そのままなので、塩分の調整もお好みで行えます。青魚本来のしっかりした味わいと、さらっとした脂のうまみが特長です。

さばフィーレ(無塩)

  

素材そのままなので、焼いて良し、煮て良し!

公開:2022年1月10日
商品案内43号[2022年1月4回]掲載

ゲノム編集の記事一覧