• アニマルウェルフェア

欧米で拡がりを見せるアニマルウェルフェア(AW)の取組。家畜に投与される抗生物質の残留や密飼いによる伝染病の発生などの効率主義への反省から、EUや国が定めた基準による取組評価が進んでいます。一方で日本は後進国。世界動物保護協会(WAP)の2020年版レポートでは日本の多くの企業に最低のGランク評価がされ、取組が遅れている状況が明らかになっており、消費者の関心もまだまだ低いのが現状です。 

コープ自然派の生産者は設備投資や業務効率といった現実の課題に向き合いながら、生きものにやさしいAWの取組を進めています。中には先進地域である欧米の基準と照らしても優れている点もあります。AWの取組を知って、選ぶことで応援しましょう。

自然豚

広々とした開放豚舎

豚にストレスを与えない飼育をスタッフ全員で心掛けている、自然豚の生産者・七星食品。「ベターレーベン」基準に照らした大きな特徴は、基準を越える広さの開放豚舎です。また、妊娠した母豚用のフリーストールも導入済み。日本で一般的な狭い単頭用妊娠ストールとは違い、母豚を集団でゆったり飼育できます。食べた餌の量などは一頭ずつITで管理するなど健康状態の把握にも力を入れています。

  

飼育の状況

飼養面積1.5㎡/頭
母豚の管理フリーストールを導入
屋外アクセスの可否   屋内だが自然光の入る開放豚舎                

ベターレーベンと比べると「★★★」基準の1.3㎡を越える飼育面積。屋外には出られませんが、開放豚舎は「★」に該当します。

自然豚肩ローススライス

  

コクのあるまろやかな味です。

放牧神山鶏

運動場でのびのび

オーガニック認証の取得を見据えたイシイフーズの「放牧神山鶏」。通常の神山鶏と異なり、鶏舎に運動場を併設。「ベターレーベン」基準に定められた「屋外アクセス」が可能な状態で「★★」以上に該当します。

  
また、日本の一般的な養鶏場では成長を促すため照明を付けたままとすることが多いですが、イシイフーズでは生体リズムに配慮し、1日に4~8時間照度を落とす時間を設けています。

  

運動場の放牧神山鶏

放牧神山鶏モモ肉

  

モモ肉のジューシーさと歯ごたえを味わってください。

放牧神山鶏ムネ肉

  

やわらかく、ヘルシーなムネ肉。

よつ葉放牧生産者指定ノンホモ牛乳

独自基準で飼養

日本では牛舎内の繋ぎ飼いや牛舎・敷地内の放し飼いが主流の乳牛。「よつ葉放牧生産者指定ノンホモ牛乳」は、放牧面積や期間について定める「放牧畜産実践牧場」を取得した上、牛床の軟らかさは適切か、断尾をしていないかなど、帯広畜産大学と取り組んだ独自のAW基準を実施して放牧する十勝の5戸の酪農家を指定しています。牛へのストレスを気遣い、搾乳などの作業者も気持ちを落ち着けて作業するなど基準では見えない工夫もされています。

  

放牧中の乳牛
独自のアニマルウェルフェア(AW)基準(一例)
・牛体が清潔である
・人に恐怖心を持っている牛が少ない
・牛床が滑らない
・断尾をしていない
・適切な暑熱対策をしている
・牛舎内の照度が適切である
※全55項目。一部努力項目も含みます。

よつ葉放牧生産者指定

  

北海道十勝で放牧をしている5戸の酪農家の生乳を使用。乳脂肪分を均質化するホモジナイズ処理をせず自然な風味を活かしました。

里山牛

放牧と自給飼料

里山の維持と再生をめざし耕作放棄地での放牧を行う、里山牛の生産者・さかうえは、野菜・飼料の生産も行う資源循環型畜産を実践しています。牛たちはのどかな山間で、本来の食べものに近い、自然の草と自家生産の飼料を食べてのびのびと過ごしています。品種は霜降り肉にも利用される黒毛和牛ですが、放牧で牧草飼料が中心の里山牛の肉質は低脂肪。牛本来の自然なおいしさが味わえます。

飼育の状況

放牧期間6か月以上
母子一緒の期間     3か月以上
牛床(ベッド)  牧草/もみ殻を毎日交換                   

ベターレーベンと比べると6か月間の放牧は「★★★」基準。親子が一緒に暮らせる期間が3 ヶ月というのは「★」に該当します。

里山牛ミンチ

  

牛肉本来の旨みが味わえます。バンバーグやピーマンの肉詰めなどにおすすめ。

オーガニックたまご

鶏が自由に動き回る

日本の採卵鶏の90%以上を占めるケージ飼育。特に身動きの取れないほど狭い「バタリーケージ」はEUではすでに2012年に禁止され、改良型ケージが容認されているものの各国では平飼いや放牧への移行が進んでいます。

旭商事では開放鶏舎での平飼いに取り組み、1羽1羽が自由に動き回り、止まり木で休憩しながらゆったりと暮らしています。鶏本来の行動欲求を大切にした有機JAS認証の「オーガニック卵」を展開中です。

飼育の状況

飼育密度6.6羽/㎡
屋外アクセスの可否   屋内だが自然光の入る開放鶏舎  
飼育施設 止まり木や砂場、巣箱あり                  

ベターレーベンと比べると飼育密度は「★★★」に該当。平飼いたまごだと9羽/㎡で「★」です。

オーガニックたまご

  

厳正な有機JAS規格をクリアした、人や鶏、環境に配慮したたまごです。

公開:2022年1月31日
商品案内46号[2022年2月3回]掲載

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