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世界で取組が進むアニマルウェルフェア(AW)。先進地域のヨーロッパでは、鶏の身動きが取れないほど狭い採卵用「バタリーケージ」禁止などの法整備や、各畜産動物の飼育環境について基準を定めた表示制度が定着しています。日本でもNHKの報道番組でAWが取り上げられるなど、少しずつ注目が集まっていますが具体的な取組事例はまだ少ない状況です。
そんな中、コープ自然派の生産者は日々動物の視点に寄り添い、業務効率など現実の課題とも向き合ってAWの取組を続けています。日本の先進事例ともいえる取組を知ってぜひ選んでみてください。
アニマルウェルフェアをすすめる理由
家畜は単なる「食べもの」ではありません。人と同じように、うれしい、悲しいなど感受性を持つ生きものです。だからこそ誕生から死を迎えるまでの間、ストレスをできるだけ抑えて、動物が本来持つ行動要求が満たされる、健康で、快適な生活を送れる環境をつくることが大切です。
イシイフーズ ~毎日の健康管理~
イシイフーズでは鶏のストレスをできるだけ軽減できるよう健康状態の把握に気を付けています。鳴き声や、同じ場所でじっとしていないか、ふんの色目や硬さ、えさの食いつきや吸水などこまめに確認し、成長に応じて給餌器や給水器の高さも調整。温度管理についても夏場はカーテンを開けて換気したり、鶏が日光を嫌がって同じ場所に偏る傾向があるので手で音を出しながら歩かせたりしています。冬場はカーテンの開け幅に気を付けて扇風機の向きや強さを調節し、空気を循環させています。
どんな環境でも鶏が快適にストレスなく過ごせる様に、これからも健康で安心・安全な神山鶏の飼育に取り組んでいきたいと思います。
阿部毅
神山鶏ササミ(バラ凍結)
植物性飼料100%。ささみは脂肪分が少なく、味は淡白で肉質がやわらかいのが特徴です。
さかうえ ~里山の放牧牛~
私たちは中山間地域で休耕地を放牧地として活用し、自社生産飼料を与えて育てた「里山牛」を飼育しています。地域の皆さんの温かいご理解のおかげで、生活圏に牛のいる光景が広がっており、その光景はまさしく「里山」。そういった環境で牛がのびのびと草を食んだり牧野を駆けたりする姿からは大地の恵みや活力を感じずにはいられません。
放牧された牛たちは優しい顔つきをしており、毛並みに艶があります。ストレスの少ない環境で育つ里山牛の肉質は、脂ではなく「肉」の味がストレートに感じられるさっぱりとしたお肉です。「牛に、人に、自然にやさしい里山牛」を是非ご賞味ください!
世良田圭祐
里山牛切落し
牧草を中心としたエサを食べる里山牛は、適度な脂肪と赤身が特徴です。
希望農場 ~夏も冬も快適に~
放牧豚はその名の通り「放牧」による飼育がAWの取組の中心です。屋外飼育に耐えられる位に成長後、えさ場と屋根のあるドームが設置された放牧地で出荷直前まで放し飼いで自由に運動し、時には泥・雪の中で気ままに遊んでストレスが少なく健やかに育っています。
夏場はドームの日陰で日差しを避け、雨の後は泥水で体を冷やします。冬場は氷点下の中、発酵床の発熱により床暖房が効いているようなドーム内でお腹を床に付けて温まっている光景が見られます。発酵床ではふん尿が衛生的に分解され、悪臭が少ないのも特徴です。意外にもきれい好きでデリケートな豚たちにとって快適に過ごせる環境づくりを行っています。
清野光弘
放牧豚切落し(バラ凍結)
北海道で放牧飼育した放牧豚を手軽に食べられるよう、料理に使いやすいバラ凍結にしています。
よつ葉乳業 ~快適性にこだわり~
この牛乳はAWの考えに基づき、乳牛の快適性にこだわった飼養管理基準で飼育した牛の生乳でつくっています。牛が心地よくストレスが少ない状態であるか、牛たちの健康状態を常に把握しておくことが最も重要であると考えています。そのため、牛舎では換気・照明、えさである牧草・水の状態に異常がないか等、牛を取り巻くあらゆる環境に常に気を遣って飼育しています。
また、牛は生きものですので、搾乳中のストレスによって乳量や乳成分が変化することがあるため、搾乳者自身もイライラしたりせずに落ち着いて作業をすることにも気を配るなど、様々な点からアニマルウェルフェアの考えに沿った取組をすすめています。
前川恭宏
コープ自然派アンバサダーも訪問しました
よつ葉放牧生産者指定ノンホモ牛乳
北海道十勝で放牧をしている5戸の酪農家の生乳を使用。乳脂肪分を均質化するホモジナイズ処理をせず自然な風味を活かしました。
公開:2022年3月7日
商品案内51号[2022年3月4回]掲載