• 生物多様性

芸西なすチーム都築さん・五嶋さん

生産者の都築さんは11年前に両親から独立。世代の近い近隣の生産者と情報交換しながら天敵農法に取り組んでいます。同じくなすを生産する五嶋さんは7年前に都築さんのもとで研修を受け、数年で独立しました。

授粉用のマルハナバチやミツバチが穏やかに飛び回るハウスの中、なすの花には小さなタバコカスミカメが止まっていました。この虫はアザミウマなどの害虫を食べてくれるそうです。

農薬を減らすことで新たな虫が出現したり、ハウス内の温度・湿度を暖房や天窓の開閉でこまめに調整したり、気が抜けないことが多いとのこと。「これからの暖かい時期は害虫も天敵も活発になるので戦いの季節です」と笑顔で話されていました。

なす

  

淡白な味で他の食材とも合わせやすく、油との相性が良い野菜です。

かめのこ農園 岡本さん夫婦

岡本さんは小さい頃、妹さんにアトピーがあり、ご家族で食べものに試行錯誤していたそうです。その時に父親が自身の農園で農薬を減らそうとされたことが天敵農法を始めるきっかけでした。

ハウスに入ると、ところどころに日付の入ったリボンが結び付けられています。これは、5名いるスタッフの方が害虫を見つけた場所。ここに天敵昆虫を散布しますが、同種の害虫でも花の方にいたか根に近い場所だったかで有効な天敵の種類が変わります。栽培に使っている天敵の種類は約20種類、最も活躍するのはカメノコテントウムシとのことです。

「農薬で殺虫していた頃は、虫の世代が変わるごとに性質が変わり、また新しい農薬が必要になるという繰り返しでしたが、天敵農法では虫の性質は変わらない。バランスが整い、うまく害虫を減らすことで香りがよく甘みもあるピーマンができます」と話されていました。

  


ピーマン

  

有機質の肥料を使い、できるだけ農薬の使用も抑えています。

公開:2022年3月14日
商品案内52号[2022年3月5回]掲載

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