• 地域循環(循環型農畜産業)

森や里山を保全し、有機肥料を用いた農業で環境への負担を抑えながら、豊かな自然の恵みを享受してきた私たち人の暮らし。しかし近年は、農薬や化学肥料を使って土に負担を掛け、また遠い外国産の食べものに頼り、農業の担い手が減る中で地域の活力も失われてきました。

コープ自然派の生産者は持続可能な生産を行うことができるように身近な資源を有効活用する地域循環の取組を行っています。

浜田農園

廃菌床を農業に

私たちの椎茸づくりに使われる菌床の培地は、四国の広葉樹のチップ、小麦の殻(ふすま)、電子技法の炭、炭酸カルシウム、コーンスターチ、ポテトスターチ、米ぬかを使用しています。古くなった菌床の堆肥化にも取り組んでいます。土壌を柔らかくする性質を持っていますので、お米、葉物、その他野菜類にと多種多様に使用することができます。

  

今年から堆肥でカブトムシの育成にも力を注いでいます。このように自然を大切にする循環型農業に取り組んでいます。

  

濱田光且

  



ツルをよぶ椎茸B級(菌床栽培)

  

農薬不使用で、広葉樹のおがくずなどを菌床の原料にしています。

阿波農産

稲ワラと鶏ふんで米づくり

米づくりは、収穫後の稲ワラの分解から始まります。ワラが春まで田んぼに残ると、田植え時に嫌気発酵して硫化水素が発生し、稲は根に鉄の鎧をつけ赤くなり根を守りますが、養分吸収を妨げるので、10a当たり、チッソ成分で4㎏の発酵鶏ふん100~150㎏を収穫後に施肥して好気発酵します。

  

根は白くなり、イトミミズの発生が増え、田んぼの生きものも増え、そのチカラで養分吸収が良くなり健康に成長し、メタンガスの発生が少なくなります。ツルをよぶお米の取組、食べて応援よろしくお願いします。

  

浜田孝俊

  


自然派Styleツルをよぶお米(省農薬) 白米/玄米

  

地域の生態系を豊かにし、ナベヅルの棲みよい環境、飛来地づくりをめざしています。

たむらのタマゴ

米を鶏の飼料に

鶏に米を与え始めて15年になります。当初は自給率や休耕田などの課題解消が議論になっていましたが、養鶏家としては鶏が米をちゃんと食べてくれるか、えさの栄養バランスはとれるか、卵の味はどうかと色々な研究材料がありました。

  
養鶏を通じた循環型社会への取組のポイントは、鶏ふんを農家の方が安心して使えて良い作物ができるかどうかだと思います。当社では卵と同じく良い鶏ふんをつくることを念頭におき、薬品は使用はしていません。

  
田村智照

  

PHF白卵10個<飼料米使用>

  

えさには飼料米を約23%配合しました。

丹波乳業

水田型酪農

「氷上ノンホモ低温殺菌牛乳」の生乳生産者の大きなこだわりに、乳牛に与える飼料があります。割合で約半分を占める穀物などを主体とした濃厚飼料は非遺伝子組み換えの輸入トウモロコシが主で、残り半分が草類の粗飼料です。

  
粗飼料は牛舎の周りを水田に囲まれた丹波地域の特色を活かし、水田で作付けした牛用の飼料作物を利用。収穫後には牛舎から出る堆肥を水田に散布し、「水田型酪農」と呼ばれる取組を継続して行っています。

  
吉田拓洋

  


氷上ノンホモ低温殺菌牛乳

  

今から約30年前に、よりよい食べものを求める消費者とそれに応える生産者の出会いから生まれました。

コープ食材

食品残渣の再資源化

「食材セット」をつくるコープ食材の工場では、製造時に野菜くずが発生します。これまでは外部委託による廃棄でしたが、今年4月より「三木堆肥化センター」に運び、約3ヶ月間発酵・熟成させた後、農園や肥料会社、緑化業者で使用する再資源化の取組を始めました。

  
今後はコープ食材内で堆肥(液肥)化して、これを生産者に使用してもらい、それで育てた野菜をまた食材セットに使うという循環を目指したいと考えています。

  

岡田裕二

  


本格麻婆豆腐とほうれん草のかき玉汁

  

麻婆豆腐のタレは、辛さ控えめの甘口と大人味の中辛の2種類から選べます。

さかうえ

耕作放棄地の活用

日本の耕作放棄地は約40万ha(埼玉県とほぼ同じ面積)あると言われており、鳥獣害や景観破壊が社会問題になっています。私たちの「里山牛」はこのような土地で放牧され、雑草を除去し有害鳥獣の温床を無くします。

  
また、牛の排泄物を有機肥料に活用することで田畑が再生され、再び野菜や牧草飼料が生産されます。

  
私たちは地域資源を有効活用しながら、「里山牛」の放牧や牧草飼料を自社生産することで、サスティナブルな循環型農業を実現しています。

  

中川昌聡

 

里山牛モモステーキ

  

赤身がしっかりとした食べごたえのある里山牛のステーキです。

ニッコー

工場と農地の循環 

私たちは約10年前から農業もやっており、自社の畑で収穫された野菜は、基本的には冷凍食品の原料として使用しています。また以前から、機械の洗浄に石けんを積極的に使用したり、電気は自然エネルギーを使用したりするなど、環境に配慮してきました。

  
最近では、工場から出た残渣を堆肥化して自社の畑に使用しています。無駄を少しでも無くし、地球にやさしいメーカーであり続けたいと思っています。

  
山崎隆志

大きな豆腐肉団子甘酢あん

  

国産大豆100%の豆腐に、国産鶏肉・野菜を加えて肉団子を作りました。お好みで野菜と炒めても◎

YASKI FARM

竹パウダーで有機農業

私たちが農業を行う熊本県山都町では、竹パウダーを肥料として畑に入れる有機農家が多いです。

  

大きく育った孟宗竹を機械でパウダーにし、2週間~1ヶ月間発酵させてから、畑にまきます。竹由来の乳酸菌、酵母菌が活発になり、畑の中で病原菌を抑制し、野菜の糖度やおいしさを引き出して生育を支えてくれます。山都町では荒れた竹林を整備して、伐採された竹は肥料に、整備された竹林ではタケノコを栽培します。こうして大切な資源をいただき、有機農業しています。

  
鳥越靖基

有機ピーマン

  

苦みが少なく甘みがあるジューシーなピーマン。





公開:2022年7月11日
商品案内17号[2022年7月4回]掲載

地域循環(循環型農畜産業)の記事一覧