• アニマルウェルフェア

ウクライナ情勢による飼料価格の高騰に円安も重なり、日本の畜産農家は厳しい状況が続いています。飼料を含め、食べものを海外に依存してきた体制が問われています。政府は<配合飼料高騰緊急特別対策>を取ることを決めましたが、根本的な解決にはなりません。

畜産業を持続的に続けていくためには「飼料を国産化すること」と、「生産者がつくったものを消費者が買い支えること」が必要です。厳しい状況は続いていますが、安心安全な食を支えてくれている生産者に畜産の現状と今後の展望を聞きました。

 令和3年度概算食料自給率 

飼料のほとんどを輸入に頼る日本は、飼料を含んで国産といえる割合はとても低いのが現状です。

※農林水産省HP参照

国産飼料自給率を高めよう!

コープ自然派の生産者は以前から飼料米やコーンなど、日本で自給できる飼料を動物に与える取組を行っています。耕畜連携をすすめることで、持続可能な循環型の畜産をめざしています。

牛乳・乳製品

穀物・飼料・燃料の高騰により、酪農生産者は非常に厳しい状況におかれております。11月より飲用向け乳価の改定となりましたが、飲用向け乳量が全体の20%程の北海道においては、酪農生産者の生活が改善できる状況には至っておりません。

  
酪農生産者が立ち上げた乳業メーカーであるよつ葉乳業としては、組合員の皆さんへ安心安全でおいしい商品をお届けする一方で、酪農生産者が安心して経営を続けられるよう取り組むことも使命となっています。

  
引き続き組合員の皆さんと酪農生産者の架け橋となれるよう取り組んでまいりますので応援よろしくお願いします。

  

よつ葉乳業 宮田知行

  

 ~飼料の国産自給率向上に向けての大きな一歩~ 
  
よつ葉の牛乳について、2020年から遺伝子組換え混入防止管理済みの飼料であるとうもろこしの一部が、海外産から北海道産になりました。

よつ葉パス牛乳

  

ホモジナイズしているので、クリーム層はなくサラリとした飲み口です。

よつ葉北海道十勝 チーズペースト(カマンベールチーズ入り)

  

冷蔵状態でもやわらかいので、パンにぬりやすい!

自然豚

海外を視察し導入した、日本では先進的なお母さん豚を育てる農場(フリーストール)の様子。

養豚における現状の課題として、まず「飼料価格の高騰」が挙げられます。円安問題やロシア・ウクライナの戦争などの要因があり、飼料価格の高騰に拍車がかかっています。その他には、「労働力の確保」、「疾病対策」、「家畜排せつ物の対応」などがあります。養豚業界に限らず、畜産業界全体の課題として共通する部分があると考えています。

  

七星食品の今後の取組としては、アニマルウェルフェアの指標である5つの自由。[①飢えや渇きからの自由・②痛み、負傷、病気からの自由・③恐怖や抑圧からの自由・④不快からの自由・⑤自然な行動をする自由]。これを組合員の方々をはじめ一般の方々にも、認知を広げていく活動が必要だと感じています。アニマルウェルフェアを認知してもらう取組を、コープ自然派さんと一緒にできればと強く思っています。

  
七星食品 東原正弥

  

自然豚モモスライス

  

キメの細かな赤身肉。肉そのものの味を楽しむ料理に向いています。

神山鶏

2022年は、とりわけウクライナ情勢による配合飼料価格の高騰などで養鶏を取り巻く経営環境が厳しさを増していると実感がありました。そのため、高価な飼料を無駄にしないように鶏の飼育には細心の注意を払い、入雛後のヒナたちが元気で健康に育つように日々飼育に励んでいます。また、養鶏に限らず畜産現場は男性の仕事というイメージがまだまだ根強くあると思います。女性の社会進出が進む現代においても、基幹的農業に従事する女性の割合は平成27年から減少傾向で推移し、令和2年には女性の割合は40%を下回っているそうです。(※)

※農林水産省「農業センサス」「農業構造動態調査」

  
20年前、有機養鶏にチャレンジしていたイシイグループのホームページを見て、私はこだわりの鶏肉づくりに魅力を感じました。そのホームページが数年前にリニューアルされ、2022年10月31日にイシイフーズSDGs宣言が策定されました。今後も私と同じようにイシイフーズのこだわりの鶏を飼育したい、安全で安心できる鶏肉づくりに関わりたいと思ってくれる女性が増えることを心待ちにしています。

  

イシイフーズ 沓名政枝

  

鶏を飼育して20年がたちました。

神山鶏手羽元

  

骨付き肉の旨み。肉に少し切り目を入れると、味がしみ込み火も通りやすくなります。

オーガニックたまご

オーガニックたまごの取組は2017年の組合員さんと生産者との交流会からはじまりました。当時は、有機JAS認証を取得している生産者は国内に2件だけでした。奮闘し、ようやく1年後の2018年のはじめに国内3件目の有機JAS認証取得となりました。 

  
皆さまの応援もあり、当初1鶏群だった有機鶏舎は現在2鶏舎まで拡大し年間通じて出荷できるようになりました。有機JASは国際基準のコーデックスを基礎としています。それはアニマルウェルフェアにおいても国際基準と同義です。これからもオーガニックたまごのご愛顧賜りますようお願い申しあげます。

  
旭商事 山根浩敬

  

オーガニックたまご

  

人・鶏・環境に優しいたまごです。遺伝子組み換え技術を使用しない、化学物質に頼らない、鶏本来の運動性を担保する動物福祉を重要なポイントとして、厳正なJAS基準に適合しています。

未来とかち牛

国際情勢の変化に伴い、飼料代や燃料代といった生産資材が高騰し、畜産経営が大変厳しい状況であります。私たち大野ファームとして、自家産の牧草やトウモロコシを増やすなど、飼料自給率の向上に向けた取組を行い、今まで以上にコスト削減に向けて取り組んでいます。

  
また、環境への取組としてCO2排出量削減に向けたカーボンニュートラルを目指し、再生可能エネルギーを活用する為に太陽光発電やバイオガス発電を行っています。

  

大野ファーム 大野泰裕

  

牛の堆肥を使っている大野ファームの畑
農場に設置している太陽光発電パネル

未来とかち牛肩ローススライス

  

遺伝子組み換え飼料・抗生物質不使用で育てました。脂と赤身のバランスが良い肩ロース肉です。

公開:2022年12月26日
商品案内42号[2023年1月3回]掲載

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