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東日本大震災、そして福島原発事故から今年で12年目。
原発事故では発生時に放射性物質が大量に放出され、大地や空気が汚染されました。現在も先行きの見えない廃炉作業が続いています。
震災、津波、原発事故に見舞われた被災地の生産者は、厳しい状況の中でそれぞれが安心安全な食べものの生産に取り組んでいます。復興の道を力強く歩み続けている生産者さんに近況を聞きました。
髙橋徳治商店 髙橋英雄さん
震災から12年、今年は小さなチャレンジの年にしたいと思います。コロナ、社会も経済も環境も戦争も次々問題が起き先送りされたことも相まって重い閉塞感の中にいます。
では被災した当地ではどうか?何とよそから来た若者たちが音楽・演劇・アート祭や地ビ-ル、映画館、グリ-フケア、子どもの遊び場、わが社の野菜加工も…多くの年月小さな「チャレンジ」を続け、横目で見ていた人たちも参加するようになりました。苦しんできた被災地ならではなんですね。社会も組織もこれまでの枠を守ろうとしがちです。難しい・ムリだと言わず皆さんとチャレンジしましょう。
おとうふ揚げ3種10品
復興第一号商品のおとうふ揚げ、それに続くシリーズの椎茸入り、そして五目の3種を1袋にセットした商品。
2022年12月20日に訪問しました!
東松島市の高台にある真新しい工場を訪れました。震災で宮城県石巻市にあった3工場すべてが全壊し、被害総額24億円、79名のスタッフを全員解雇しなければならないという事態に…。家族を失ったスタッフもいたそうですが、社員は全員無事だったとのこと。
新工場は2013年7月にようやく稼働。工場の入り口には107年前の門柱が移設されていました。その横には、風力発電のプロペラが1機。この発電で、門の開閉と夜間の外灯の電気をまかなっており、工場の屋根には太陽光パネルが設置され、原発にたよらない工場を実現されていました。また、東松島市と災害協定を結んでおり、避難シェルターにもなるそうです。
震災は忘れることができない悲惨な出来事でしたが、一歩ずつ前進されている髙橋さんのお話が力強く今も心に残っています。
コープ自然派しこく 泉川香
千倉水産 師資田誠さん
震災から12年目を迎え、ここ女川も徐々にではありますが、落ち着きを取り戻しつつあります。休日には、女川駅前の道の駅にたくさんの観光客が来られ、地元の活性化のシンボルとなっています。
女川の基幹産業である水産業は、昨年に引き続きさんまの不漁で厳しい状況が続いています。一方、昨年はコロナの影響で実習生の受け入れが出来ない状況でありましたが、ベトナムからの実習生を中心に労働力の確保はできた一年でした。
まだまだ震災前の状態には程遠い状況ではありますが、従業員一丸となってより良い商品をコープ自然派の組合員さんにお届けできるように頑張っていく所存です。今後ともよろしくお願い申し上げます。
塩さんま
北海道沖、三陸沖で漁獲されたさんまを塩水漬けし、旨みを凝縮しました。
2022年12月20日に訪問しました!
工場のすぐ近くには震災で被災し、ひっくり返った状態の交番がそのまま震災遺構として保存されている「旧女川交番」がありました。工場は女川漁港内のエリアにあり、他にも水産関係の施設が多数ありました。どの施設も比較的新しく、震災後に再整備されたことが想像できました。
女川エリアは昔からさんまの水揚げ量が全国有数でしたが、近年は漁獲高が激減しており、22年のさんまの水揚げ量は史上最低をさらに更新。漁獲高の減少理由としてはさんまのサイズが小さくなっていることも要因とのことでした。
また商品づくりにおいては、原料をまとめ買いではなく状態を見ながら部分買い付けをしているそうで、それが商品のおいしさにつながっていると思うと話されていました。
コープ自然派しこく 川合厚平
鎌田醤油 鎌田雅敬さん
12年前の記憶は忘れない、震災後毎年、生産者として、地域の生活者として、あるべき姿(生き方)を考える機会として来ました。あの時、震災の被害はあまりにも大きく、再開する事に、建物や設備の修繕費用を考えると、即答できる状態ではありませんでした。その後、あとかたづけが進むにつれ、使命感と多方面から応援の声も頂き前向きに突き進むことが出来ました。
でもお隣の福島県では未だ自宅に戻れない方々もいる、自然災害は克服しつつも人災である原発事故の影響は未だに解決されてない。あれから12年各地で大規模災害が増え不安は拭えませんが、伝統と事業を継続できていることを皆様に「感謝」いたします。
仙台みそ
大豆の旨みを引き出した、風味豊かな赤色辛口みそです。
2022年12月20日に訪問しました!
仙台味噌は八丁味噌、白味噌と並ぶ日本の三大味噌のひとつ。鎌田醤油はあいコープみやぎの主力生産者で、友好生協の連帯である“生協ネットワーク21”のつながりからコープ自然派との取引が始まりました。
創業は1835年。農業のかたわら酒造りを営んでいたところ、飢饉などがあり藩主の命令で味噌醤油業に転換。江戸後期に建てられた建物を今もつかっているとのことです。専務の鎌田さんは「社会福祉法人みんなの輪」の理事もされています。
醤油ではリユースの取組も行っています。「リユースビンはやろうと思わなければやれない。ものを大切にする文化を大切にしたい」とおっしゃっていました。また、いただいた資料には「食事は自分への投資」「醤油は微生物と人間の共同作品」「支えているのは先人の知恵。継いだものを継いでいくことが使命」など、鎌田専務の印象的な言葉がありました。
コープ自然派奈良 上市佳織
東北トクスイ 鈴木義則さん
水産業界では原料の不漁が続いている上に急激な円安による資材・電力等の値上げもあり非常に厳しい状況になっております。しかしながら、組合員の皆さんのお役に立てる商品をご提案させていただくべく、新たな商品開発を進めて参ります。
現在ご利用いただいている切身・漬け魚以外にもさらに加工度の高い商品を今後ご提案させていただき、組合員の皆さんのお役に立てるように精進して参ります。
銀だら切身
延縄船で漁獲した脂ののった銀だらを国内搬入後、2枚におろし切身にしました。
まるたか水産 高橋雄治さん
震災から12年、浜の整備は進み、地域の若手も頑張っています。これまで安心で安全かつ、おいしい宮城県の海産物をお届けすることに邁進してまいりました。
福島原発処理水海洋放出が認可されましたが、その風評被害にも負けないくらい良い製品を作って皆さんへお届けいたします。
大粒かきフライ
軽くスチームボイルしているので、縮みが少なくふっくらとした食感が楽しめます。
コープ自然派が続ける放射能検査
コープ自然派は「子どもを放射能被害から守る」姿勢であり、『内部被ばくにおいてしきい値はない』という考えのもと、徹底した放射能検査を行い、その結果や産地情報を公開しています。
出荷基準は「不検出」が原則。検出が確認された場合は、直ちに供給をストップします。
公開:2023年2月20日
商品案内49号[2023年3月2回]掲載