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家畜が動物として持つ感受性。誕生から死を迎えるまでの間、飢えや渇きなどの苦痛を減らし、自由な行動欲求を満たす「アニマルウェルフェア(AW)」の取組はヨーロッパをはじめ各国で進んでいます。しかし日本ではまだ拡がりをみせていません。
そんな中、コープ自然派の生産者の皆さんはアニマルウェルフェアに配慮した飼育を実践しています。家畜を健康に育て組合員の皆さんにお届けするまでの間、どんな環境でどのようなことに日々気をつけながら飼育しているのか、生産者の皆さんにお聞きました。
アニマルウェルフェアの5つの自由
- ごはんで困らせない
おなかをすかせない、のどがかわいたと感じさせないなど - 気持ち悪いと感じさせない
部屋をきれいにしたり、自由に動けるスペースがあるなど - けがや病気をそのままにしない
体調に変わりがないか気を配る - 動物らしさをだせる
走りたい、土を掘りたいなど、その動物の本来の習性が発揮できる - 不安なことをさせない
ストレスになる怖いことや不安をあたえない
2020年の各国の畜産動物福祉の評価ランク

(世界動物保護協会 HP参照)
自然豚
飼育環境
肥育農場は、アニマルウェルフェアの理念に基づき、より自然に近い環境で豚がストレスの無い生活を送れるように考えています。
バイオベッドという土に近い床材料を敷き詰めており、土を踏みしめる様な感触やルーティングという鼻で穴掘りを行う習性がいつでも行えます。そのため豚にとってストレスの少ない良い環境になっています。

バイオベッド(発酵床)方式 家畜がより快適で健康に過ごせるように、気温や季節に合わせて、堆肥やおがくず、もみがら、環境微生物などを配合し床に敷いて飼育する方法。 |
日々の観察
豚は非常に繊細な動物です。気温変化に非常に弱く、極端な湿度変化にも敏感に反応し、体調に影響してしまいます。日本は1年を通して四季があり環境変化が大きい国であるため、常に豚の様子を細かく確認しその時々の状態に対する管理や対応が求められます。ミスト散布や寝床の交換、カーテン調整による保温や風の流入の調整など様々な対応を行う事で、豚は健康に育っていきます。

<商品の一例>

自然豚スペアリブ
脂肪が多く、骨までしゃぶりたくなるワイルドな旨みが魅力です。
放牧豚
飼育環境
北海道厚真町「希望農場」にて、その名の通り放牧飼育を行っています。生後約90日から、出荷可能な体重に達する約200日頃まで、丘のある放牧地で放し飼いをします。放牧地にはバイオベッド(発酵床)で衛生的に保たれたえさ場・寝床となるドームがあり、自由にそこから出て行き運動をし、ストレス無く育ちます。
広い放牧地での適度な運動によりストレスフリーに育った豚は、さっぱりとして甘みがある脂と、濃い赤身の味わいが特徴のお肉となります。放牧は身体的にも精神的にも健やかに育つ為、アニマルウェルフェアの考えに準じた飼育方法です。
日々の観察
自然環境に近い屋外での飼育の為、特に真夏の酷暑・真冬の厳寒時期は豚の体調管理に気が抜けません。体調不良等により発育が悪く小さい豚や、動きが鈍い豚がまれに見受けられます。放牧後は抗生物質やワクチンを使用しておりませんので、基本的に豚自らの治癒力で体調を回復させています。なお、やむを得ず抗生物質・薬を使用した豚は、放牧豚としては出荷されず、一般飼育豚となり別管理になります。

<商品の一例>

放牧豚ハーブソーセージ
3種のハーブを加え、香り豊かに仕上げました。
神山鶏
飼育環境
鶏は汗腺がなく発汗による体温調整ができないので、暑さによるストレスをとても受けやすい動物です。3月31日に、3月の徳島県美馬市では観測史上最高気温となる27.7℃を記録しました。鶏舎内は鶏にとって暑くなりすぎてしまい、鶏自身が体温を下げるために口を開けて激しい呼吸をしたり、羽翼を大きく広げるなど不快な動作をします。そのため、鶏が不快な動作をしないように直ぐにカーテンの開閉や換気扇の風量調整を細かく行います。これからも鶏が健やかに育つように心掛け、快適な飼育環境づくりに取り組みます。
日々の観察
鶏舎内の鶏とその環境を知るため、観察の時間を大切にしています。観察の時間では、鶏の発育過程による羽毛状態の変化を見たり、鶏たちの鳴き声や呼吸音を聞いたり、エサを食べている様子や水を飲んでいるときの動きを見たり、寝ている様子を見たり、鶏の健康状態を細かく観察しています。私は、鶏の健康状態を正しく把握するため、観察の時間を充分に取り、これからも適切な飼育管理を行い、アニマルウェルフェアの向上に努めます。

<商品の一例>

神山鶏生姜焼きチキン焼くだけ
神山鶏のむね肉を薄くカットし、生姜焼きのタレに漬け込みました。
里山牛
飼育環境
地域資源を最大限に活用した放牧スタイルです。離農・担い手の減少により増加した遊休農地※を家畜の放牧や牧草の採取のための野原として有効活用しています。牛舎を設けない自然放牧により牛たちは、自由に遊び、食べ、寝ることができます。ストレスフリーでアニマルウェルフェアの考え方に対応した飼育環境です。

※遊休農地… 農地として利用していたが、現在は農地として利用されておらず放置されている土地。
日々の観察
毎日、朝・夕の給餌のタイミングで牛たちの状態を観察しており、えさの食いつきやケガなど想定できる範囲はすべて確認するように心掛けています。ちなみに牛たちのえさとなる、デントコーン(飼料用とうもろこし)はさかうえで栽培し、自家産の国産飼料を給餌できているのも里山牛の大きな特徴です!



<商品の一例>

里山牛切落し
牛丼や肉じゃが、炒めものや煮込み料理に適しています。
四日市酪農
飼育環境
温度、湿度、換気、水の供給などに注意を払い、乳牛の健康と快適さを確保するため私たちは以下のことを工夫しています。
- 冷たい水を十分に飲めるようにしています。
- 涼しい時間帯に飼料を給与し、給与回数を増やしています。夏場や外温が高い時などは牛舎内へのミストと扇風機で温度を下げています。また、近年の猛暑の中では牛舎の屋根に冷水をまき、気温を下げる工夫をしています。
- 良質で消化率の高い飼料を与えています。
- 獣医師の指示のもと、必要に応じてビタミンやミネラルを給与し、栄養不足を補っています(治療中の牛の乳は飲用には使いません)。
日々の観察
牛の健康状態、採食や反芻の状態、損傷や跛行の発生状態、休息の状態等を観察し、アニマルウェルフェアの悪化の兆候がないかを確認するとともに、飼料・水分が適切か、室温・換気などが適切かなどを確認します。1頭1頭のカルテを保管していますので、いつ出産し、いつ病気をしたかなどすぐにわかるようにし、獣医に相談しています。特にA2牛は1頭1頭ゲノム検査をしA2牛であるか確認後、専用牛舎で生活します。また、搾乳された生乳は専用A2キットを使いさらにA2検査をし搬出しています。
あのつ牧場 福井聡

<商品の一例>

JPA2ミルク(UHT)
おなかにやさしいと言われる、母乳と同じβ-カゼインA2型の生乳のみを集めてつくった特別な牛乳です。
公開:2024年5月6日
商品案内8号[2024年5月4回]掲載