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私たち人間は、活動することで地球環境に負荷をかけています。様々な要素がバランスよく絡み合い循環している地球は、負荷が大きすぎると環境の回復が追いつきません。持続可能な社会をめざすためには、一人一人が環境のことを考え活動をする必要があります。
コープ自然派は「食と農と環境は一体」であると考え、食べることで自然環境を守り、地域の生物多様性を保全し、食文化を継承していくことをめざしています。私たちがどのような食べものを選択していくのかが持続可能な社会につながります。
今回は国産自給飼料や地域循環、未利用資源の活用など、生産者が行っている様々な取組についてお聞きしました。
知っていますか?地球は様々な項目で限界を超えていると言われています。
「プラネタリーバウンダリー」
プラネタリーバウンダリーは地球の生態系における安全な範囲を示しています。地球の限界を超えている項目は回復不可能な変化が引き起こされると考えられています。
私たちの身の回りで起きている様々な問題(一例)
国産自給飼料や地域循環、未利用資源の活用など、生産者が行っている様々な取組についてお聞きしました。
たむらのタマゴ ~地元のお米をえさに配合~
飼料米は年間150~200t給餌をしており、阿波農産をはじめ全て地元の顔の見える関係者のみで取引をしています。お互いに信頼関係を築いています。
私たちは組合員の皆さんに安心して召し上がっていただくことを最優先に考え、薬品を使用せずに鶏を飼育しています。そのために健康な鶏をゆっくり育てることに力を注いでいます。過去には、若雌の身体つくりと産卵数を増やすためにえさに魚粉を添加して蛋白とカロリーを上げた時もありました。しかし良質の魚粉が手に入らなくなったこともあり、「低産卵でも健康な鶏」をゆっくりと育て、鶏インフルエンザにも負けない養鶏場をめざしています。
何のおもてなしも出来ませんが、お暇なときにお子さまづれで見学にお越しください。お待ちしています。
PHF白卵10個<飼料米使用>
えさには飼料米を約23%配合しました。
七星食品 ~堆肥を地域の野菜づくりに~
七星食品の肥育農場では、豚の飼育部屋にバイオベッド方式を採用しています。このバイオベッド方式には、多くの敷料が必要となり、敷料をつくるには米のもみ殻や木から出るおが屑が必要となります。もみ殻やおが屑の仕入先として、地域のお米農家さんや材木店から新鮮で新しい材料を年間を通じ安定して供給していただいています。
豚を育てた後、もみ殻やおが屑を使った敷料は堆肥化し、農家さんへ肥料として還元しています。これを使うと野菜がより元気に育つようになります。このようにそれぞれの資源を活用し連携することが農業の未来へと繋がり、持続可能な社会の礎になっていくと感じています。
自然豚モモスライス
キメの細かな赤身肉。肉そのものの味を楽しむ料理に向いています。
ヴェジファーム ~コーヒーの豆かすを畑づくりに~
ヴェジファームが栽培する野菜は、約10年前から「食品リサイクルループ」に取り組んでいます。
関係企業から出てくる食品廃棄物のうち、約7割を占めるのがコーヒーを抽出したあとに残る豆かすです。その豆かすをなんとか活用出来ないかと試行錯誤し、ヴェジファームの栽培する野菜の圃場堆肥に再利用して、循環の取組と地球環境に貢献しようとレタス、キャベツ、白菜などの農産物を栽培しています。
この循環システムにより、廃棄物の削減と資源の有効活用を図り、環境負荷を軽減しながら持続可能で安心安全な生産活動に取り組んでいます。
レタス
有機質肥料などにより苦みの少ないレタス作りを目指しています。
のらくら農場 ~地域の酒粕を野菜づくりに~
春菊は料理する前に、茎をかじってみてください。春菊の旨みは茎に凝縮されています。
春菊に…というわけではないのですが、ここ近年、地域資源で活躍しているのは『酒粕』です。酒精酵母、酸性、水溶性炭水化物、という特性がドンピシャでハマる作物は何か、の実験をしました。今のところ、ピーマン、ケール、いんげんがドンピシャです。質、収穫量とも向上してきています。とにかく使えばよいというものでもなく、ハマるピースの周りをデザインするという感じです。
春菊
香り高く、えぐみや独特のアクはほとんどありません。サラダがおすすめ!
\こちらも必見!/
「夏の野菜でつくろ!のらくら農場のまかないレシピ」
のらくら農場の管理栄養士・ひなちゃん監修!まかないレシピ夏バージョンができました!ぜひご覧ください。
菌興椎茸協同組合 ~山を次の世代に引き継ぐ~
菌興椎茸協同組合は、組合で原木しいたけ栽培を行っています。山林を再生させるため、杉・ヒノキは植林せず、広葉樹を育てています。
震災後、産業復興はできても山林の放射能汚染は消えず、日本が2つに分断されたままです。原木しいたけは、福島原発事故の影響で東日本全域の広葉樹を利用した栽培ができなくなりました。原木は、大気汚染の浄化を担っているのですが、この生理現象で原木栽培が出来ないことにも繋がっています。
コープ自然派へ納品する原木生しいたけは、毎週の放射能検査を始めて13年が経過しています。どこの原木が安心なのか13年の検査実績で分かってきました。農薬も肥料も利用しない原木しいたけ栽培は、労力がかかりますが、里山を20~25年サイクルで伐採することで、山林を若返らせています。価格が安定して所得が持続すれば、子ども、孫が山林を引き継ぎ、森林の恩恵を永遠に得ることができます。
自然派原木生しいたけ
菌から厳選し、日本各地の豊かな自然の中で栽培。
公開:2024年7月8日
商品案内17号[2024年7月4回]掲載