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大規模有機農業をリードする営農企画 「自分でつくったものは自分で売る」という考えを経営の基本とし、栽培から加工、販売まで全てを自社で行います。乾燥調整施設や定温倉庫など、年間を通して施設を稼働し続けることで、安定した経営を行っています。「有機小麦1,000t」の目標を掲げ、達成に向けて取組をすすめています。 |
国産オーガニックを拡げる新たな取組がスタート
北海道中央部、旭川市に隣接する比布町、当麻町に畑を持つ営農企画。北海道の大規模有機農業をリードする農業生産法人として知られています。200haの畑のうち、100haで有機認証を取得。有機小麦・有機大豆・有機もち米・有機なたねを栽培しています。
2024年7月4日、コープ自然派及び友好生協の役職員や連合産直委員会に所属する組合員など総勢36人が、新しく建設された有機特殊肥料製造工場を見学しました。
かねてから取り組んでいた有機特殊肥料製造工場がついに完成・稼働を開始しました。有機肥料の確保のために地域資源を活用した肥料の製造を、地域で有機農業に取り組んでいくひとつのモデルとして確立し、日本の有機拡大の一助になればと思います。
●どうして建設したの?
有機農業で使う資材は海外からの輸入に依存しており、安定した有機農業を営むことが難しいのが現状です。そのため、日本で持続可能な農業をすすめるためには、地域資源をいかに活用していくかが大切なのです。今城さんは、地域の資源を肥料づくりに活用するため、農業者として日本初となる有機特殊肥料製造工場を建設しました。
●どんな施設?
高さ16m、床面積は600坪。建物の壁面は耐用年数20年のフィルムを張り、太陽光を採り入れやすくしています。また、もみ殻を炭にする時に発生する排熱を活用することで、冬でも雪が積もらず安定した製造ができる設計になっています。
●どれくらいの肥料が作れるの?
1年で10,000tの生産能力があります。これは比布町の耕地(田・畑含む)のおよそ1/4にあたる500ha分の肥料をまかなうことができるといわれています。
〜訪問した組合員の声〜
- 持続可能なシステムが構築されており、目の前の課題だけではなく、今城さんの「広く・遠く」見据えたビジョンに感銘を受けました。
- 肥料工場でまかなえる規模感に圧倒されました。有機農業を拡げるうえで、地域で肥料をつくることの重要性を学びました。
肥料製造の流れ
1 もみ殻を炭化させる
そのままでは分解するのに2〜3年の年月がかかってしまうもみ殻を、燃焼してもみ殻炭にすることで、肥料として利用しやすくしています。炭化したもみ殻にはたくさんの小さな穴があり、微生物の住処となって有用菌の増殖を助けます。
燃焼するときに発生した熱は床下の配管を伝って施設の内部をあたためるために利用されます。 |
2 60~70度の温度で肥料を混ぜる
肥料を大きなスクリュー(L字自走式発酵攪拌機)で攪拌しながら発酵をすすめます。原料である鶏ふんや廃菌床に含まれる有機物は、菌によって分解・発酵され、約1か月かけて肥料が作られます。
肥料原料へのこだわり
地域で使用されていない資源であるもみ殻や鶏ふん、きのこの廃菌床を原料として有効活用しています。もみ殻は、農薬の使用を慣行の半分以下の回数(2回まで)に抑えて栽培されたものだけを使用。抗生物質の心配から牛ふんを使って栽培されたものは避けるなど、安全だといえるものだけを選ぶことを心がけています。
今城さんの有機小麦を使用
自然派Style有機小麦のコウノトリの未来
ミナミノカオリとゆめちから2種の有機小麦から作った小麦粉を配合し、風味と食感のよいパンに仕上げています。
自然派Styleオーガニックグラハム食パン
2023年31号より営農企画の有機小麦を使用。有機オリーブオイルをはじめ、米粉や砂糖も有機原料で仕上げています。
今城さんの有機大豆を使用
自然派Style国産有機豆腐(今城さん大豆使用)
室戸産にがりと「とよみずき」を使用した、有機豆腐です。大豆は旨みが逃げないよう低温(30°C)でゆっくり2日かけて乾燥しています。
自然派Style国産有機納豆(今城さん大豆使用)
納豆に適した「スズマル」という品種を使用。製品化した時に大豆の旨みが残るよう乾燥技術にこだわりがあります。
公開:2024年9月2日
商品案内25号[2024年9月3回]掲載